Q24 入院費と病気休業による減収で地方税を滞納 膨らんでいく延滞金が気がかり

徴収猶予の要件等

地方税法15条 地方団体の長は、次の各号のいずれかに該当する事実がある場合において、その該当する事実に基づき、納税者又は特別徴収義務者が当該地方団体に係る地方団体の徴収金を一時に納付し、又は納入することができないと認められるときは、その納付し、又は納入することができないと認められる金額を限度として、その者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる。

一 納税者又は特別徴収義務者がその財産につき、震災、風水害、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかったとき。

二 納税者若しくは特別徴収義務者又はこれらの者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したとき。

三 納税者又は特別徴収義務者がその事業を廃止し、又は休止したとき。

四 納税者又は特別徴収義務者がその事業につき著しい損失を受けたとき。

五 前各号のいずれかに該当する事実に類する事実があつたとき。

納税の猶予等の取扱要領(平成27年3月:国税庁)

5の(2)のロの(イ)……通常の納税の猶予をする金額

(1) 通常の納税の猶予をする金額及びその調査

通常の納税の猶予をする金額は、下記(2)により調査した猶予該当事実に基づく支出又は損失(以下「猶予該当支出等」という。)の合計額(下記63から66まで《現在納付能力調査》に定める現在納付能力調査によって判定した納付困難と認められる金額がその金額を下回る場合には、その納付困難と認められる金額)を限度とする。このため、納税の猶予の申請があった場合には、調査日現在の状況に基づいて猶予該当支出等を把握するための調査を行う。ただし、調査日現在における調査が困難である場合には、臨場等による調査の日の状況から、適宜その調査日現在の猶予該当支出等を算定して差し支えない。
なお、猶予該当支出等の調査に当たり、納税者が帳簿等を備えていない場合又は帳簿等による調査が困難である場合には、納税者からの聞き取りを中心に調査する等適宜な方法によって判定して差し支えない。

(2) 猶予該当支出等の範囲

イ 共通事項

(イ) 猶予該当支出等は、原則として、猶予該当事実が発生した日から調査日までの期間におけるものを認めるものとする。

(ロ) 下記ロ《猶予該当事実ごとの猶予該当支出等の範囲》に掲げるもののほか、猶予該当事実(上記4(3)《猶予該当事実》ヘに掲げるものを除く。)があったことにより、事業等の全部又は一部の休廃止を余儀なくされた場合には、その休廃止に伴い減少したと認められる利益の額に相当する金額を猶予該当支出等として認めて差し支えない。この場合においては、下記ロにより、猶予該当事実ごとに掲げている個々の資金の支出又は損失の額と重複して計算することのないよう留意する。

(ハ) 猶予該当支出等のうち、通則法第46条第2項各号の二以上に該当するものがある場合には、猶予金額及び延滞税の免除額を勘案し、それぞれの猶予該当支出等として重複しないように計算する。

(ニ) 猶予該当支出等に対応するものとして、調査日までに受領した保険金、補償金、賠償金等がある場合には、その受領した金額を猶予該当支出等から控除する。ただし、納税者が請求することができる保険金、補償金、賠償金等で、調査日までに受領していないものについて、調査日後これらを受領する見込みのある場合には、下記67から70まで《見込納付能力調査》の見込納付能力調査における資金収支見込みにおいて、特別収入見込みに加算することとし、猶予該当支出等からは控除しないものとする。

(ホ) 調査の結果、猶予該当支出等がある場合には、その資金の額が上記4(4)《猶予該当事実と納付困難との関係》の納付困難の原因となっているものとする。
なお、猶予該当事実があった後、例えば、事業の継続又は生活の維持のために必要と認められない投資、資産の購入等のための支出があり、その支出額が異常に多額である場合等、最近において猶予該当支出等と相反する使途の支出があることが明らかであって、かつ、猶予該当支出等の範囲内の金額につき納税の猶予をすることが徴収上著しい支障があると認められる場合を除き、猶予該当支出等と相反する使途の支出を考慮することなく猶予該当支出等を計算して差し支えない。

ロ 猶予該当事実ごとの猶予該当支出等の範囲

猶予該当支出等として認容する範囲は次のとおりとする。

(イ)  ~略~

(ロ) 納税者又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷した場合
上記4(3)《猶予該当事実》ロに掲げる事実があった場合の猶予該当支出等は、病気又は負傷により要する医療費及び病気又は負傷があったことにより支出を余儀なくされる費用で、調査日までに支出した金額及び調査日後支出する見込みの金額のうち申請に係る納税の猶予の期間中に支出される見込みの金額とする。ただし、病気又は負傷の事実が調査日から1年以上前に生じている場合において、それに伴って調査日から1年以上前に現実に支払った金額があるときは、上記(イ)Dに準ずるものとする。

(ハ)~(へ)  ~略~

滞納処分の停止の要件等

地方税法15条の7 地方団体の長は、滞納者につき次の各号のいずれかに該当する事実があると認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。

一 滞納処分をすることができる財産がないとき。

二 滞納処分をすることによつてその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき。

三 その所在及び滞納処分をすることができる財産がともに不明であるとき。

2 地方団体の長は、前項の規定により滞納処分の執行を停止したときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。

3 地方団体の長は、第一項第二号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その停止に係る地方団体の徴収金について差し押さえた財産があるときは、その差押えを解除しなければならない。

4 第一項の規定により滞納処分の執行を停止した地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務は、その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する。

5 第一項第一号の規定により滞納処分の執行を停止した場合において、その地方団体の徴収金が限定承認に係るものであるとき、その他その地方団体の徴収金を徴収することができないことが明らかであるときは、地方団体の長は、前項の規定にかかわらず、その地方団体の徴収金を納付し、又は納入する義務を直ちに消滅させることができる。